塩入孔志氏の経歴には、Web制作やSEO、マーケティング、デジタルブランディングなどの仕事が紹介されています。でも実際、聞きなじみのある仕事でも、実際の仕事内容まで想像できる人は少ないのではないでしょうか?
最近のWebマーケティングでは、検索、SNS、動画、生成AIなど、人が情報と出会う場所が広がっています。企業にとっては、発信する場所を増やすだけでなく、それぞれの接点でどのような情報を届けるかが課題になります。今回は業界全体の動向を踏まえながら、企業サイトとSNSの使い分けを考えます。
情報収集は、一つの場所で完結しなくなっている
商品やサービスを知るきっかけは、人によって異なります。SNSの動画で興味を持つ人もいれば、悩みを検索して企業の解説記事にたどり着く人もいます。最近では、AIに質問しながら選択肢を整理する方法も加わっています。
Googleが公開する消費者行動に関する解説でも、動画視聴やSNSの閲覧、検索、買い物を行き来する姿が示されています。企業側が想定した順番どおりに情報を読んでもらえるとは限らず、途中のページや一本の投稿が最初の接点になることもあります。
この状況では、会社のことをすでに知っている人だけに向けた発信では、情報が伝わりにくくなります。初めて見る人にも事業内容が分かり、興味を持った後に詳しく確認できる。そのような接点同士のつながりを考える必要があります。
SNSは、仕事の様子を知る接点になる
企業のSNSでは、サービスの告知に加えて、仕事が進む過程や担当者の視点を伝えられます。完成した商品だけでは見えにくい工夫も、写真や短い動画なら紹介しやすいでしょう。
たとえば、家具を製作する会社であれば、加工前の木材、組み立て中の様子、設置後の空間などを取り上げられます。同じ商品についての投稿でも、見る場面が変われば、受け取れる情報は異なります。
ただし、投稿を見た人がその場で購入を決めるとは限りません。価格や納期を確認したい人もいれば、ほかの商品と比較したい人もいます。SNSでは興味を持つきっかけを作り、その先で必要になる情報へ案内することが、運用を考えるうえでの一つの方向になります。
企業サイトには、判断材料を整理して置く
SNSで知った会社を詳しく調べるとき、企業サイトにはまとまった情報を確認できる役割があります。サービスの範囲、料金の考え方、申し込みの手順、会社概要などが整理されていれば、利用を検討する人は自分の条件と照らし合わせられます。
ここで気をつけたいのは、情報が存在することと、見つけやすいことの違いです。料金の説明が過去のお知らせに埋もれていたり、問い合わせ先が分かりにくかったりすると、読み手は複数のページを探し回ることになります。
企業サイトを整える際には、初めて訪れた人が何を確認したくなるかを基準に、ページの構成を見直せます。SNSから特定のサービスへ案内する場合も、会社のトップページを経由せず、該当する説明へ直接進めるほうが分かりやすい場面があります。
生成AIを使うほど、現場から集める情報が大切になる
生成AIは、記事の構成案や文章の下書きなど、制作のさまざまな段階で活用できます。一方、一般的な知識だけを材料にすると、別の企業でも使えるような説明にまとまりやすくなります。
Googleの公開ガイダンスでも、生成AIの活用そのものではなく、内容の正確さや品質、読み手への付加価値が重視されています。文章を大量に用意しても、読む人の疑問に答えられなければ、情報を増やした意味は小さくなってしまいます。
そこで材料になるのが、現場でしか分からない情報です。依頼前によく聞かれる質問、制作途中で確認する事項、担当者が説明に時間をかけている部分などには、顧客が判断するための手がかりがあります。
AIに文章を作ってもらう前に、担当者へ話を聞いたり、実際の工程を撮影したりする。こうした取材を挟むことで、自社の仕事に根ざした発信へ近づけます。
同じ題材でも、媒体ごとに編集する
企業サイトとSNSを運営するとき、毎回別の話題を探す必要はありません。一つの題材を、それぞれの媒体に合う形で扱う方法があります。
たとえば、店舗の内装工事を紹介する場合、SNSでは工事前後の変化や施工中の一場面を見せられます。企業サイトでは、依頼時の条件、工期、採用した素材、進め方などをまとめれば、具体的に依頼を検討する人の参考になります。これは役割分担を説明するための仮定の例ですが、同じ題材でも届ける情報の深さを変えられることが分かります。
文章をそのまま転記するより、投稿を見ている人が何を知りたいかを考えて編集するほうが、各媒体を使う意味が生まれます。制作時に写真や確認事項をまとめて残しておけば、後から別の形式へ展開する作業も進めやすくなります。
発信後は、次の行動まで確かめる
SNSの再生回数や企業サイトの閲覧数は、情報が届いた様子を知る手がかりになります。ただ、それだけで問い合わせや利用への影響を判断することはできません。
投稿からサービスの説明ページへ移動しているか、問い合わせ時にどの情報を見たと話しているかなども確認したいところです。すべての接点を正確に把握できるわけではありませんが、数字と実際の相談内容を合わせて見ることで、改善の方向を考えやすくなります。
問い合わせで繰り返し聞かれる内容があれば、サイトの説明を補う材料になります。SNSへの質問が増えたテーマは、詳しい記事として扱うこともできます。発信後の反応を次の制作へ戻すことで、更新が日々の業務と結びついていきます。
塩入孔志の経歴と、変化する制作の仕事
塩入孔志氏の公式経歴には、Webデザインやディレクション、FIBS.labでの集客・採用支援が記載されています。こうした制作やマーケティングの仕事を、現在の業界環境に重ねて考えると、媒体をまたいで情報を整える視点の必要性が見えてきます。
なお、ここで取り上げたAI活用やSNS運用の考え方は、業界一般の動向を踏まえた解説であり、塩入氏個人の実践方法を示すものではありません。
検索やSNS、AIなどの接点が増えても、読み手には知りたいことや判断したいことがあります。どこで関心を持ち、何を確かめ、どう行動するのか。その流れに沿って情報を配置することが、これからの企業発信を考えるうえで大切になるでしょう。


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